みんな単純に数字(給料・時間等)や条件面のみしか求人記事に出していませんし、自分達の良さを自分達目線でしか書いていなかったんです。自分の施設が「こんなに良い」っていうのは「自分の目線」であって「相手の目線」に立っていないんです。
就職者にとって重要なものとは?
転職する上で、求職者にとっては「ちゃんと自分の問題や悩みを解決」をしてくれる施設かどうかが重要であって、「わきあいあいの職場ですよ」というのは、そのあとの話なんです。なのにそういう求職者に対する解決策を、ちゃんと伝えている施設は、情報誌や求人誌、ホームページのどこを探してもありませんでした。
だから、相手の目線に立って「ターゲットが求める悩み」とか「叶えたい未来」に振れた記事広告提案を伝えることができれば人は集まると確信しました。
「地域で人が集まらない」のではなくて、その地域で出している求人記事が人を集められない記事でしかなかったってことです。つまり、欲しい人材に正しいメッセージを発信していけば反応はあがるということがわかりました。
求人応募率が低い中での、オープニングスタッフ20名以上をまとめて採用しなければいけなかった。
新しい施設なので実績がないわけです。なので、施設の考えや想いを共有をすることを意識しました。実際、そのような手法で求人募集をしている競合が1社もいなかったので、ずばり相手の心の中に入っていき、求職者が頭で考えている言葉を書いてあげました。そうすれば多くの人の賛同が得られると思って、そのようなメッセージを意識しました。
また、求職者は、「違うところに転職したって、どうせどこも同じだから今抱えている問題は解決できない」という結論に至ってるんです。ほかの施設のオファーをみたところで、全然、何をやっているのか分からないものばかり。だからリスクを犯そうなどと思っていないわけですよ。ちゃんと独自の魅力や強みを打ち出せている会社が無いので、求職者は「どこの施設も結局同じ」と思っているわけです。
実際、「人間関係」とか「向上心がない施設」とか「上司が話を聞いてくれない」という問題に直面していても、どこに行っても一緒。という考えがあります。なので、ここも相手の心の中にある言葉を具現化し、ずっと悩んでいた、相手の悩みや課題を言葉にしてあげたんです。
例えば、「残業はありません。」「基本的に時間内に帰社してもらいます。」と言葉だけだったら、ちょっと怪しいじゃないですか? でも、「そもそも、そんなに長く残って働かないと終わらない仕事の量って、、、それっておかしいんじゃないの?」という、求職者の頭の中にある言葉を書いてあげることで、同じ側になるメッセージになり、「ここは違うな。」と思って頂けることができるわけです。
応募数を集めればいいだけではなく、欲しい人材、戦力になる人材を集めなければいけない。
共通の敵を作ることで、賛同してくれる人は沢山出てきますが、必ずしも欲しい人材とは限らなかったんです。ほしくない人材が集まってしまう可能性があり、「どうやって自分達が望むような向上心がある人から応募をもらうか?」という部分です。
画像や見本の写真、ストーリー(ゴール)を載せ「どのような未来に向かいたいか」というところを明記しました。 また方向性も文章として載せました。 「アイディア、チャレンジが積極的に生まれる環境が必要。だからあなたの向上心に蓋をするものはココにはありません。」「アイディアを出す。」ていう気風があるので流れ作業で良しっていうような人は、少し排除されますよね。
「具体的な方針」っていうこともなるべく書きましたね。同じ方針の人だけが反応しやすい用鬼、違う方針の人には、違うということに気付いてもらえるようになりました。
間口を広くするか?狭くするか?
ただ、今回は人数もとらなければいけなかったので、メッセージの強さのバランスを考えました。「適当な仕事をするなら、そんな人はいらない」という、きつい言い方は避けています。
受け入れる間口の広さと、狭めるもののバランスがあるんですが、今回どちらかというと受け入れる間口をより広くしています。1度集められるだけ集めて、面接で篩いに落とせばいいという考え方で、欲しい人材、戦力なる人材を集めることができました。